● しっかりとした土台


 家を建てるためには見えない部分のしっかりとした基礎、しっかりとした骨組みが必要です。外見は同じように見えても、目に見えない部分がしっかりとしていなければ何もなりません。

 歯の治療でも同じことが言えます。全体の噛み合わせ、そして歯周組織に対する影響、さらに噛み合わせのバランスが崩れることから起きる肩こり、手のしびれ、顎の痛み、腰痛、顔や体のゆがみ、自律神経失調症、更年期障害など、全身への影響を考慮して治療する必要があります。

一般に何気なく行われている治療にそのような正しい知識や技術がどれくらい取り入れられているでしょうか?

 例えば、奥歯に金属冠をかぶせたとします。皆さんには形はどれも同じに見えることでしょう。けれども実際にはいろいろな差があります。

 冠をかぶせるための正しい土台の作り方、正しい歯の削り方、機能的な噛み合わせや歯肉に対しての生理的に正しい形、冠と歯の境目の、より正確な適合など、いろいろな知識と技術が必要です。

 しかし現実には、疑問を持たざるを得ないようなケースがしばしば見られるのも事実です。そして残念なことに患者さんはそれを見分けることが出来ません。

 患者さんは医療機関を選ぶとき、「近いから、やさしいから、親切だ、話しやすい、新しくてきれいだ」など、治療の内容とは直接には関係のないことばかりを判断基準とする事が多いようです。

 では何を基準に? と問われたとき、申し訳ないのですが、私自身、その答えを見出すことができません。ただ、こういうところは避けた方がいいのでは?ということはいくらでもありますが、ここでの言明は避けたいと思います。